ランドセルの疑問・質問

ランドセルの人工皮革コードレとは?合成皮革との違いも解説

ランドセルに使用される素材の一つ、コードレ。コードレは、帝人コードレ(株)が生み出した人工皮革です。ランドセルに使われる人工皮革といえば、(株)クラレが開発したクラリーノがよく知られていますね。(株)クラレ以外の繊維メーカーでも、ランドセル向けに工夫された快適な素材を開発しています。

今回は、人工皮革と合成皮革の違いやコードレの特長をご紹介します。



人工皮革と合成皮革の違い


人工皮革コードレのイメージ

人工皮革と合成皮革は違うものだってご存知でしたか? 家庭用品品質表示法では、この2つを次のように定義して区別しています。



  • 人工皮革:基材に<特殊不織布>を用いたもの

  • 合成皮革:基材に<特殊不織布以外のもの>を用いたもの


不織布(ふしょくふ)とは文字通り「織らない布」で、細かい繊維同士を織ったり編んだりせずに絡み合わせ、シート状にしたものです。機械などを用い、熱や化学的な作用で絡み合わせます。繊維状の素材ならなんでも原料できるので、特殊な性質をもつ材料を練り込んだり、表面に加工したりすることで、いろいろな性質を持たせることが可能です。

たとえば、ウィルスを通さないマスクや水分を浸透させるティーバッグ、紙オムツ、空気清浄機のフィルターなどがおなじみですね。

柔らかいものだけでなく、CDケースや電子部品、医療分野や建築、農業にも活用されています。


農業で活用される不織布


天然皮革の構造に似せた人工皮革


不織布の中でも特殊不織布は、「ランダム三次元立体構造を有する繊維層を主とした基材に、ポリウレタンまたはそれに類する物質を含浸させたもの」を指します。

この言葉では分かりにくいですね。まず天然皮革の構造を知る必要があります。簡単にご説明しますね。


天然皮革・人工皮革・合成皮革の構造


天然皮革のイメージ

天然皮革の構造は、表皮すぐ下にある緻密な組織でできた「銀面層」と、その下にある「コラーゲン層」に分けられます。

コラーゲン層では、たんぱく質であるコラーゲンの繊維が立体的に絡み合い、組織を形成しています。


人工皮革は、天然のコラーゲン層に限りなく構造を似せるために、ポリエステルやナイロンなど極細状の繊維を立体的に絡み合わせ、そこにポリウレタン樹脂を浸み込ませて不織布層を組成。その表面に、主にポリウレタン樹脂でコーティングを施し、本革そっくりの質感を再現したデザイン加工をしています。

一言で言うと、化学の力で、天然の革に極めて似た構造と見た目をつくり上げているということ。


人工皮革の表面(イメージ)

※画像はイメージです


合成皮革は、編物や織物をベース(基材)にして、表面にポリウレタン樹脂や塩化ビニール樹脂を厚く塗ったり、貼り合わせたりしたものです。表面は型押しして天然皮革に似せています。

人工皮革に比べると、通気性や感触、伸縮性の面で劣り、表面がはがれやすく耐久性も低くなります。現在、日本で流通しているランドセルに用いられる化学繊維のレザーは大半が人工皮革ですが、海外製の安価なランドセルには合成皮革のものもありますのでご注意くださいね。


人工皮革は天然皮革の欠点を補い、新しい機能を加えるために誕生



  • ご家庭でのメリット:お手入れ簡単、雨・水に強く、軽くてお子さまも持ち運びしやすい

  • メーカーのメリット:厚みや硬さが一定で自動裁断もOK、大量に生産できて装飾や刺繍向き


クラリーノをはじめとした現在の人工皮革は、天然皮革の欠点を補い、さらに天然皮革にはなかった機能を付与できないか、と考えて開発されたもの。イージーケアで軽く、水にも強くて扱いやすいのが大きなメリットです。背あて用には特に通気性を高める機能もつけられています。

キラキラしたデコパーツや刺繍も施しやすく、本革に比べるとアレンジのしやすさも工房・メーカー側のメリットといえますね。


天然皮革は厚みや硬さが一定ではないため、ランドセルをつくる際どのパーツにどの向きでどの部位を用いるか、職人の長年の経験や勘、工夫と技術が求められます。人工皮革なら素材のどの部分も一定の厚みや弾力を備えているので、扱いやすいです。機械での自動裁断も可能なため、生産スピードがぐっとアップします。

羽倉ランドセルのパーツ


人工皮革にはデメリットも


一方で、本革のランドセルを支持する人が多いのには、こんな理由が。人工皮革のデメリットも知っておきましょう。



  • ご家庭でのデメリット:本革に比べると耐久性が低く、表面の剥がれやインク汚れの心配も

  • メーカーのデメリット:天然皮革の風合い、手触り、革を育てる楽しみは再現できない


人工皮革の場合、表面に施されたポリウレタン樹脂の弱点が影響し、天然皮革に比べると耐久性が劣り、表面の変質や剥離が生じやすいともいわれてきました。硬い物と擦れた際も、丈夫な本革に比べるとどうしても傷がつきやすく、マジックインクやボールペンのような油性汚れがつくと中の方まで染みこんで落とせなくなりがち、というデメリットも。5~6年生のランドセルを見ると、本革とクラリーノでは見た目の差が出てくるという話もかつてはよく耳にしました。

ただし近年では、ランドセル用人工皮革の耐久性が格段に向上し、6年間しっかり使えるものが多くなっています。軽くて扱いやすいため、教科書の厚みや重さが気になる昨今、少しでもお子さまの負担を軽くしようと人工皮革のランドセルを選ぶ方も少なくありません。

合成皮革の場合は、製造元にもよるでしょうが、6年間の使用に耐えられる丈夫な商品かどうか、購入前に充分に考えたほうがいいでしょう。使っていくと数年で、風合いにも大きな差が出てきます。キレイに長持ちさせるには、メーカーの開発努力だけでなく、日々のお手入れや保管方法にも工夫が必要になります。

▼ 人工皮革・牛革・コードバンの特徴についての記事はこちら▼

https://www.hakura-randsel.jp/column/1420


コードレは帝人コードレが開発した人工皮革


人工皮革コードレのイメージ


コードレは、帝人コードレが開発した人工皮革の総称。用途によってさまざまな特性があり、ランドセルのほかシューズ、雑貨、衣料、スポーツ用品などに幅広く使われています。ランドセルで使われるときには、コードレの軽さと耐水性がぐっと活かされます。

人工皮革コードレを使った羽倉のランドセル「はねかる」

羽倉では、人工皮革モデルの「はねかる」「はねかるArte(アルテ)」で、コードレを採用しています。また耐性牛革を使ったモデル(「オーダーランドセル」「耐性牛革スタンダード」「耐性牛革ウイングチップ」「とよおか」「耐性牛革Fine」)、コードバンを使用した「エイジングコードバン」でも、特に汚れやすいフラップ(かぶせ)の内側にコードレを採用し。ランドセルの軽量化や扱いやすさへの工夫をしています。



革にこだわり、本革の弱点とも長年向き合ってきた羽倉だからこそ、適材適所の工夫で人工皮革にも活躍の場を設け、お子さまが使いやすいランドセルに仕上げています。


コードレとクラリーノの違いは?


コードレとクラリーノ、どちらもランドセルに求められる基本性能は一通り押さえられていますが、両者は細かく比較するとやや違いがあります。コードレはクラリーノに比べて革に張りがあるため擦れた際の傷やひっかき傷がつきにくく、水をはじく撥水力も高めといわれています。


コードレのお手入れのポイント


とってもお手入れカンタンなコードレですが、6年間キレイに使い続けたいなら、定期的にケアしてあげてくださいね。

雨に濡れた時は、柔らかい布でさっと水分をふき取るだけでOK。

汚れが付いた時は、ゴシゴシ擦らないようにご注意ください。クラリーノより擦れに強いといわれるコードレですが、本革に比べるとどうしても摩擦に弱い傾向があります。

また、革用クリームを使うと素材が劣化し、ヒビ割れたり表面が剥がれたりする原因になってしまいます。クリームは決して使わないようにしてくださいね。

人工皮革のランドセルのお手入れ方法については、こちらの記事でもご紹介していますので参考にしてください。

>人工皮革のランドセルNGなお手入れ方法ときれいに使うポイントも


今回は理科のお勉強のような話になりましたが、これでコードレの特長をバッチリお分かりいただけたと思います!

羽倉は牛革を中心にラインナップしていますが、コードレのメリットを活かし、適材適所で使用しています。

牛革やコードバンのランドセルと人工皮革のランドセルを、ショールームや取扱店舗、展示会で実際にお子さまに背負っていただき、比べていただくことをおすすめします。

羽倉のショールーム・取扱店舗・展示会のご案内


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