羽倉のランドセル

羽倉の「鋲なしフラップ」ランドセル…留め具のない美を追求したウラ話

「羽倉ランドセル」最大のおすすめポイントは、フラップ(かぶせ)に鋲(びょう)と呼ばれる留め具がついていないこと。本革の美しさを追求して職人がたどり着いたこのデザインは、2018年の夏に特許庁から意匠登録を受けました(意匠登録:1612572号)

ランドセル 鋲なしランドセル 鋲なし

この認定を受けるには、対象商品のデザインに、かつて他に存在しなかったという「新規性」と、そう簡単には生み出せない「創作非容易性」が無ければなりません。

羽倉の職人は、革の風合いが際立つシンプルなランドセルをお子さまに届け、本物の革と上質なデザインに親しんでもらうために、さまざまな工夫を重ねています。

今回は、「鋲なしフラップ」完成に至るまでの苦労話を少しお話しさせてくださいね。


美しく自由なランドセルを追求したら「鋲なし」に辿り着きました。


ランドセル 鋲なし ランドセル 鋲なし

羽倉の鋲なしフラップが美しいランドセル

一般的なランドセルのフラップ(かぶせ部分)は、革を接着させるため、そして強度を保つために、金属の鋲(びょう)で留める必要がありました。鋲留めはどうしても革の一部を締めつけるので、わずかではありますが革の表面に凹みが生じ、自然な滑らかさが損なわれてしまうのです。

そこで羽倉の職人は考えました。「もっとも美しいランドセルはどんな形だろう?」。悩み抜いた末、羽倉が出した答えが <シンプルさを追求し、革の風合いを際立たせるランドセル> です。

羽倉は素材の本革を“生きもの”として扱い、その個性や魅力を引き出せるよう愛情を注いで仕立てます。滑らかで手触りも抜群、そのうえ丈夫。そんな革の良さを存分に感じてもらいたい。革を鋲から解放し、美しいフラップをつくろう。羽倉のデザイナーはそう考えました。

そして、もうひとつ。<お客様が自由にカスタマイズできる、自分だけのランドセル>を提供したい。デザイナーにはそんな願いもあったといいます。

ランドセルはこれまで、ユーザーにもメーカーにも、工業製品のように捉えられている面がありました。その象徴が、鋲留めの金具。そのため、デザイナーは、ランドセルを工業製品としてではなく、ファッションアイテムのように楽しんでほしいと考えたのです。

ランドセルをカスタマイズしようと思ったとき、まず候補になるのがステッチアートを入れること。特にフラップ(かぶせ)なら、お好みでさまざまなステッチを入れて、個性を打ち出すことができる。そう考えたとき、そこに鋲留めがあると、どうしてもデザインが制限されてしまいます。

デザイナーは、鋲を無くすことでランドセルに自由なステッチアートを入れられるスペースを広げ、ランドセルを工業製品からファッションバッグにしようと試みました。


耐久性を下げずに鋲を無くすには? 職人が工夫を凝らしました。


ランドセル 鋲なし

ただ、それが簡単にできるようなら、とっくに他のメーカーが実現して広まっているはず。鋲にはランドセルの強度を保つという役割があるため、そう簡単には外せないのです。

「強度を保ったまま鋲を無くすためにはどうすればいいだろう?」。革のクセや特徴を知り尽くす熟練職人が、悩みに悩んで試行錯誤を繰り返しました。今まで存在しなかったアプローチでランドセルと向き合うため、フラップを作るのに使う道具もゼロから生み出す必要があったそうです。

鞄の一大産地・豊岡で培われた職人技も注ぎ込んだ末、羽倉の職人たちは独自の工法を編み出すことに成功! 専門的な話なので工法の詳細はここでは省きますが、熟練職人の高い技術が無ければできない製造方法を採用し、オリジナルのランドセルづくりの道を切り開きました。

こうして、耐久性とデザイン性、どちらも両立させた羽倉だけのフラップが完成! 緩やかで滑らかな曲線を描き、自然のぬくもりと質感を届けてくれる。そんな自慢の手づくりランドセルで、お子さまにとって<オンリーワンの相棒>になれる鞄を羽倉は目指しています。


フラップにも、創意工夫を重ねています!


羽倉ランドセルの「とよおか」は切り絵アートのようなフラップが特長

デザイナーの「こんなランドセルがあったらいいな」という夢を盛り込み、フラップに繊細なカットワークとステッチを施した、アートのようなシリーズ「とよおか」もラインナップ。

これからも、さまざまな創意工夫と挑戦で、ランドセルの可能性を広げていきます!

 

今回はちょっと長めのブログになりました。最後まで読んでくださってありがとうございます! 羽倉のチャレンジ、ぜひ今後もご注目ください。


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