「鞄の街」豊岡からお届け
ランドセル通信
ランドセルの疑問・質問
2020.10.29
ランドセル代わりにリュックを買いたい! メリット・デメリットは?
通学にランドセルが使われている国は、実は少ないということをご存知でしょうか。
日本でも、「リュックの方が軽くて背負いやすいのでは」とランドセル文化に疑問を持つ人もいるよう。
今回は、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
ランドセル代わりにリュックの使用、あり?
小学校の通学用かばんに公的な定めは設けられていません。
実際に、京都府南部や北海道小樽市の小学校では、ランドセルではなくリュックに似たかばんが使用されています。
また、「ランドセルの代わりにリュックを購入してもいいのではないか」と考えるパパ・ママもいるよう。
何故ランドセルよりもリュックの方が良い、という意見があるのでしょうか。
リュックはランドセルより安価
ランドセルの平均購入価格は約5万円。
一方でリュックサックは、素材や機能性、ブランドにもよりますが5万円以下で購入できるものが多くありますよね。
リュックに似た通学用かばんを作ったメーカーも「ランドセルが高価で購入できない家庭がある」といった声を元に、1万円前後で購入できる通学かばんを作ったそうです。
リュックは軽くて背負いやすい
ランドセル工業会のホームページによると、小学生が持つ荷物の平均は4.7kg。
ただでさえ教科書だけでも重いのに、たいていのランドセルは1kgを超えています。
その点、ナイロン製のリュックであれば1kg未満と、ランドセルよりも軽い商品が多く販売されています。
本当に6年間ランドセルを使い続けるのか
高学年になると急に身長が伸びる子どももいて、ランドセルでは窮屈になってしまい、リュックへと切り替えるケースも多いようです。
経済的事情や子どもの成長を考慮し、ランドセルの代わりにリュックの購入を検討する方もいらっしゃるよう。
では、なぜ日本ではここまでランドセルが多数派となっているのでしょうか。
次はランドセルにしかない、通学用かばんとしての機能について見てみましょう。
リュックにはないランドセルの機能
ランドセルは小学生の通学用かばんとして特化した機能を備えています。
さらに、多くのメーカーが競合の中で生き残るため、こぞって改良を重ねています。
だからこそ、子どもにとってもさまざまなメリットのある、考え抜かれた鞄だといえるでしょう。
1.耐久性
小学校の6年間毎日使うと想定されて作られているランドセル。傷や汚れはもちろん、雨にも強い優れものです。
「羽倉ランドセル」では、6年間使用した場合と同じ負荷を与えた耐久性テストを行うなど丈夫なランドセルをお届けしています。
2.背負いやすさ
ランドセルは肩だけに負荷がかからないよう、身体にフィットするクッション性の高い背あてや、負担を和らげる肩ベルトが用いられています。
リュックの場合は、背あてや肩ベルトへの工夫が十分に施されていないことも多く、重いものを背負うと肩への負担がより一層強く感じられるようです。
3.安全性
ランドセルには、暗い夜道でも光を反射する反射材や、防犯ブザーを取り付けられるナスカンが付いています。
また、ランドセルの横に給食袋などを掛けるナスカンは、巻き込まれ防止のためにある程度の負荷が掛かると外れるような仕組みになっています。
4.荷物を整理しやすい収納力
ランドセルは、教科書や筆箱、上履き袋など、学校に必要なものを収納できるよう想定して作られています。
一方リュックの場合、型崩れでノートが折れてしまったり、仕切りがないため整理が難しいといったデメリットも。
他にも各メーカーが提供しているランドセルを詳しく見ると、子どもが使いやすいようさまざまな工夫が施されていることが分かります。
とはいえ、最近はリュックの中にもランドセルと同じぐらい丈夫で、通学用に特化した商品が登場しています。
ランドセル・リュックそれぞれのメリットとデメリットを知ったうえで、ぜひお子さんの意見も聞きながら検討してみてくださいね。
海外でランドセルが使われていないのはなぜ?
日本では小学生の通学用かばんとして広く普及しているランドセル。
しかし日本以外の国に目を向けると、実はほとんどの国でランドセルが使われていないことをご存知でしょうか。
例えばアメリカやカナダでは、学校が授業の際に教科書を貸し出してくれるため、手ぶらかリュックで通学するスタイルが主流なのだとか。
毎日宿題の出る日本とは違い、「勉強は学校でするもの」という考えが一般的なのですね。
またイギリスでも、教科書はすべて学校へ置いていく「置き勉」システムを採用しています。
そのため、日本のランドセルよりもやや小さめの背負い式バッグがよく使われています。
海外の例を見ると、毎日重い教科書を運ばなくていい子どもたちが少し羨ましい気もしますね。
日本でも、2018年9月にようやく文部科学省が「置き勉」を事実上解禁しました。
しかし、実際の対応についてはそれぞれの学校に任されているため、まだ対応が整っていない学校も多いでしょう。
日本でランドセルの代わりにリュックを使用するには、まだ課題が多いかもしれません。
日本ならではのランドセル通学。教育事情の違いを反映
教科書の貸し出しや「置き勉」が主流の海外では、通学用かばんにリュックが多く使われています。
日本でもようやく「置き勉」が解禁されましたが、まだまだ体制が整えられていない学校も多く、まだ重い荷物を持って行かなければならないところがほとんどでしょう。
ランドセルは、リュックと比べると価格は高めで重いかもしれません。
しかし、重い荷物を背負っても身体への負担を軽減させ、安全に、そしてより快適に使えるような機能が施されています。
お子さんとよく話し合いながら、6年間しっかり使える通学用かばんを選んであげてくださいね。